薬剤師の研修制度

 

薬剤師としてのキャリアは、常に自己研鑽と向き合う人生とも言えます。医療制度の変化、新薬の開発等、医療業界の進歩は日進月歩であり、常に勉強して知識を磨かなければ、あっという間に使い物にならなくなってしまいます

 

また、おかれている状況も違えば、性格も違う患者さんに対して、一人一人適切なアドバイスを行うには、判断力やコミュニケーション能力も磨く必要があります。

 

薬剤師には、様々な研修が用意されているので、そういった機会を積極的に活用して、自分のスキルを高めていってください。

 

目次

1:新人研修

薬剤師として現場に出るために必要な最低限の知識を身につけるための研修です。薬学部で勉強して身につけることが出来るスキルというのは、薬剤師として働くために必要な知識のごく一部であり、戦力になるには様々なことを学ばなければいけません。

 

新人研修では、半年から1年かけて、社会人マナーといった一般常識から医療保険制度、医薬分業、調剤業務、接客スキルといったことを学びます。

 

3ヶ月目あたりから、実務教育です。指導薬剤師のもとで、マンツーマンで実地指導を受けます。この段階を経て、自分一人で業務をこなせるようになったら、はれて薬剤師の仲間入りと言えます。

 

新人研修というのは、業務経験のない人が独り立ちするうえで欠かせないものですが、薬剤師不足に悩まされているような職場、激務で社員教育の余裕がない現場だと、形だけの研修しか行われないこともあります。

 

そういった現場でキャリアをスタートさせるのは不幸なことです。新卒、未経験の方は研修体制がしっかりしているところを選びましょう。ここで、今後のキャリアが大きく変わってきます。

 

2:中堅薬剤師研修

入社1~2年目の薬剤師を対象にした研修で、フォローアップ研修とも呼ばれています。薬剤師としてさらにスキルアップするために、知識・技術を伸ばすことが目的の研修です。

 

同時に、将来、管理者になることに備えたマネジメント研修や、在宅医療といった特定の専門分野に関する研修も行われます。

 

3:管理者研修

管理薬剤師としての考え方やスタッフ育成のノウハウ、マーケティングなどについて学ぶ研修です。リーダー、幹部候補生となるための研修とも言えます。

 

薬剤師としてステップアップするには欠かせない研修ですが、あえて管理薬剤師の道を選ばず、特定分野の実務のプロになることを目指す人も多いです。

 

4:薬剤師会研修

学会や薬剤師会には、生涯研修のカリキュラムが用意されており、本人の希望に応じて自由に受講することが出来ます。女性薬剤師会では、家庭と仕事の両立といった、女性ならではの悩みに焦点を当てた研修もあります。

 

研修は有料であり、基本的には本人負担ですが、勤務者の研修費を補助してくれる薬局、病院も多いです。そういったところは、社員の自己研鑽に対する理解があり、バックアップ体制が整っているので、意欲的な人にとっては理想的な職場と言えます。

 

薬剤師が受けておいて損がないセミナー

 

上記の研修は薬剤師という職業に特化したものですが、それ以外にも受けておいて損がないセミナーもあります。

 

一例をあげれば、コミュニケーションスキルを学ぶ『話し方講座』とか、カウンセリングのやりかたを学べるセミナーなどでしょうか。また、人間力を高めるという意味で、教養・哲学に関するセミナーを受けるのもプラスです。

 

その気になれば、いくらでも自分を高める場は世の中に存在するので、色々と探してみてください。