ブランクからの復帰を目指すママ薬剤師の転職事情

 

この記事は、下記のような方を対象にしています。

結婚と同時、もしくは出産のタイミングで退社。

子育てが少し落ち着いて時間ができたこと、これからの教育費などを考えて復職を検討中。

しかし、5~6年のブランクや、家庭と仕事との両立を考えると何かと不安がつきまとう。

 

子育てを優先して、一時的に仕事から離れてきたけど、家計の足しにしたいので、薬剤師として、また働き始めることを考えている。

 

そんな人ですね。

 

そのため

 

空き時間を利用して、パートや派遣社員として働きたい

 

あるいは

 

正社員として働くにしても、1日7~8時間勤務で、残業や休日出勤は極力避けたい

 

こんな働き方を実践するには、どうすればいいのかという視点で、まとめています。

 

  • バリバリ働いて、年収800万円を目指す!
  • 将来は大手薬局チェーンのエリアマネージャーに!

 

こういったキャリア志向の働き方については、想定外としているので、注意してください。

 

なお、もしかしたら、『1日でも早く、仕事に復帰したいので、細かい話はいいので、どうすれば仕事を得られるのか教えてほしい』と思っている人もいるかもしれませんが、もし、あなたがそうであれば、下記の転職会社に登録して、仕事を紹介してもらうことをオススメします。

 

この3社は、ママ薬剤師の転職支援実績が豊富で、様々な求人情報を持っているので、相談すれば、すぐに仕事を紹介してくれます。

 

ママ薬剤師の転職支援を得意とする転職会社

 

薬剤師の求人を扱う転職会社は、数えきれないくらいあるのですが、そのなかでも、ママ薬剤師の転職支援に力を入れているので、頼りになります。

 

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特に、マイナビ薬剤師は頼りになります。

 

復帰を目指すママ薬剤師を応援します!

ブランクからの復帰を目指すママ薬剤師の転職事情

 

目次

ブランクのあるママ薬剤師、復職前に不安があるのは当たり前

「資格がある」ことは、大きな保険を持っていることです。特に、女性にとっては、安心材料の1つではないでしょうか。

 

いつでも社会復帰が出来るので、安心して子育てに専念できますし、心置きなく家庭に入ることができるでしょう。

 

しかし、いざ、社会復帰しようと考えた時、途端に不安になることがあるはずです。

 

そこで、このページでは、子育て中に、あるいは子育てが一段落した後に、職場復帰を目指すママ薬剤師が知っておくべき転職事情について、お伝えしていきます

 

かなり長くなってしまうので、最初から順番に読んでいると、時間がかかります。上記に目次を表示しておきましたので、興味があるところからお読みください。

 

もちろん、最初からお読み頂いても大丈夫です。

 

ブランクがあるママ薬剤師は、多くの不安を抱えている

あるサイトのアンケート結果で、8割以上のママ薬剤師が、仕事に復帰することに対して、不安を持っていることがわかりました。

 

その理由のなかで最も多かったのは、「子どもの病気の時、休むと迷惑がかかる」というもの。熱を出しやすい体質の子もいますが、自分のこどもが、そういった体質だと、仕事に支障が来さないか、心配になるのは、当然のことです。

 

補足

保育園からの呼び出しが頻繁だと、周りの目も気になりますし、罪悪感を覚える人も多く、ここはママ薬剤師にとっての難題と言えます。

 

また、久しぶりの社会復帰で、スタッフとのコミュニケーションが取れるか心配する声も、多数あります。ほかにも、現役で勤めていた頃の感覚を取り戻せるか、足手まといにならないかなど、考えると不安の種は、山ほどでてきます。

 

さらに、現役だった頃から、薬事法や診療報酬制度が改正・改定されていると、これらの知識のブラッシュアップも必要ということで、自分の知識に不安を抱く人も少なくありません。

 

ママ薬剤師が抱える主な不安

  • 子どもが病気の時、休みを取れるか
  • コミュニケーションがうまくいくか
  • 仕事に対する感覚を取り戻せるか
  • 仕事についていけるか
  • 自分の知識が古くないか

 

育児との両立に対する不安

働くというのは、ただでさえ大変なことですが、家事・育児をこなしながらだと、さらに大変です。実際に働いてみると、想像以上に大変だったという言うママ薬剤師も多いです。

 

ちなみに、ここでは年齢も見逃せない要素です。30代~40代での復帰となると、若い頃と比べて、体力的に無理がきかなくなります。

 

ママ薬剤師が抱える悩み・不安を解消するための具体的な方法

これらの悩み・不安には、どのように対処すればいいのでしょうか。ここからは、実際に職場に復帰したママ薬剤師は、どのように解決したのか見ていきます。

 

子どもが病気になりやすいことを事前伝えておく

病気になりやすい体質の子どもを持つAさんは、事前に、その事実を伝えることを徹底することで、休める環境を自分で作っています

 

採用面接の時に、会社に伝えることはもちろんのこと、働き始める時には、職場のスタッフに、前もって理解してもらえるように、「子どもが小さいので、急に休むことがあるかもしれません」と最初に伝えています。

 

同時に、病児保育に対応している病院・保育園を把握しておく、家族の協力を取り付けておくなど、いざという時の準備を入念に行います。

 

補足

家族というのは、夫だけでなく、親や兄弟、親戚など、頼れる人全てを意味しています。Aさんの場合、近くにそういった人がいたのですが、もし、実家から離れて住んでいるという人は、協力しあえるママ友を作るということも、一つの方法です。

 

ママ薬剤師が多い職場を選ぶ

また、これは単純なことですが、自分と同じ子育て世代が多く在籍している職場を選ぶことも、重要です。

 

こういった職場であれば、お互いに助けあえますし、精神的にも楽です。また、ママ薬剤師が多いということは、企業側も子育て事情に精通しているので、きめ細やかなサポートを受けられるというメリットがあります。

 

子育て世代が在籍している職場を探そう

ブランクからの復帰を目指すママ薬剤師の転職事情

 

真面目に働けば、コミュニケーションの問題は心配なし

コミュニケーションの不安については、笑顔と挨拶、そして、一生懸命、仕事に取り組む姿勢があれば、大丈夫です。

 

かつ、ママ薬剤師さんの事例としては、些細なことでも、相手に感謝の言葉を伝えること、常に明るく接することなどを、心がけている人が多いです。

 

ブランクが長いママ薬剤師は、復帰前に勉強をしておく

ブランクが長い場合、自分の知識や情報が古くなっている可能性があり、そのままだと、職場に復帰しても、仕事についていけないかもしれませんが、この問題に対する対処策は、復帰前に勉強しておくことです。

 

スムーズに復帰することができたBさんの場合、半年ぐらいかけて、少しずつ自分の知識をブラッシュアップしていったそうです。

 

また、一般常識や漢字についても、勉強したそうですが、これも重要なことです。普段使わないと、忘れてしまうので、注意してください。

 

Check!

一般常識については、新聞を読むことが最も効果的です。漢字については、書き取りの練習など、本格的な勉強をする必要はなく、薬剤師の最新知識を勉強する時に、重要なところをメモするといったことをすれば大丈夫です。

 

新聞を読む時に、重要な部分を書き出すのもアリです。

 

薬剤師に復帰した後の勉強も重要

そして、何よりも大切なことは、仕事をしながら、分からないところを覚える努力です。現場というのは、最も効果的な学びの場です。

 

ブランク空けだと分からないことが、たくさん出てくると思いますが、その時には、先輩スタッフに質問して、理解を深めていく。

 

この努力を積み重ねることで、第一線で活躍できるだけの実力が身に付きます。Bさんのように、ブランク空けでスムーズに復帰できたママ薬剤師は、必ず、この努力を行っています。

 

逆に言えば、こういった真面目に努力をコツコツ積み重ねる姿勢があれば、心配することはないので、自信を持って復帰してください。

 

正社員、パート、派遣…ママ薬剤師が復帰する時の雇用形態は3つ

現場に復帰する時には、働き方を選択することになりますが、働き方にバリエーションがあると、選択肢が広がります。薬剤師として働く時には、正社員、パート、派遣のいずれかを選ぶことになりますが、それぞれのメリット、デメリットをまとめてみます。

 

正社員は安定しているけど、負担が大きい

正社員の最大のメリットは、給与や手当など、待遇が安定していること。研修制度が充実して、スキル・知識をブラッシュアップできるので、ブランク空けで復帰する時には、心強いです。

 

また、福利厚生が充実しているので、休みを取得しやすいというメリットもあります。

 

Check!

正社員だと、有休がもらえますし、会社によっては、有休と別に、病気や怪我を理由に休みがもらえる私傷病休暇が用意されていることもあります。

 

これらの休暇を利用すれば、休んでも給料が減らないので、派遣やパートよりも、給与の安定性は抜群です。

 

その一方で、正社員だと、それなりの責任を負うことになるので、大変です。状況によっては、残業や休日出勤をしなければいけなくなります。

 

やりがいはあるという言い方もできますが、育児の合間に働きたいのであれは、正社員で働くのは、厳しい部分があると考えてください。

 

ただし、家族の協力が得られるなら、正社員で働くという選択肢もあります。特に、今後、薬剤師としてキャリアを継続していくつもりなのであれば、正社員というのは、会社からの信頼を得るうえでは大きいです。

 

Check!

将来、別の会社へ転職することになった時にも、正社員という地位は有利です。間違いなく、仕事を探しやすくなります。

 

正社員はメリットも多いが責任も大きい

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ライフスタイルに合わせて働けるパートは、ママ薬剤師にはオススメ

パートは、ライフスタイルに合わせて働けるのが、大きな魅力です。心身ともに、負担が少なくて済むので、仕事と子育ての両立に不安がある人は、パートとして働き始めるのが、最も確実です。

 

正社員のように、会社都合の異動や転勤とも無縁ですし、いざとなれば簡単に辞められるので、小さな子どもを抱えるママ薬剤師にとっては、精神的な気楽さがあります。

 

ちなみに、今の薬剤師業界は、正社員よりも、パートの求人のほうが多いので、仕事を探しやすいです。

 

注意点としては、薬剤師の不足に悩まされている会社だと、パートであっても、正社員の代わりに、責任を負うポジションに就かされることがあるということです。

 

もちろん、そうでない職場も多いので、ここは事前に確認するようにしておいてください。

 

パートとアルバイトは実質的に同じ

薬剤師の求人を見ると、パートもあれば、アルバイトもありますが、両者に明確な違いはありません。強いて言えば、パートは主婦、アルバイトは学生や若者が行う短時間の仕事として、使われることが多いです。

 

パートもアルバイトも待遇に差はないので、どちらも同じものと考えてください。

 

なお、パート、アルバイト、どちらも時給制となります。2000円程前後というのが目安となりますが、薬剤師が足りない地域だと、時給3000円を超えることもあります。

 

正社員と比較して、地域差が大きいのが、アルバイト、パートなので、求人を探す時には、細かくチェックしてください。

 

高時給で短時間勤務ができる派遣薬剤師の人気が急上昇中

最近、ママ薬剤師のなかでは、派遣薬剤師という働き方に、注目が集まっています。パートやアルバイトの場合、薬局や病院との直接契約になりますが、派遣薬剤師は、派遣会社と雇用契約を結ぶことになります。

 

そして、派遣には、パートやアルバイトにはない魅力があります。まず、派遣薬剤師の時給額は、パートやアルバイトよりも高く設定される傾向にあります。

 

現状だと、2500~3000円というのは、派遣薬剤師の平均時給なので、パート・アルバイトと比較すると、50%増しといったところです。

 

また、派遣だと最初に、契約期間を決めることになります。3ヶ月~1年と、設定される期間は様々ですが、契約を更新するごとに条件の見直しや就業先の変更ができます。

 

家庭の状況に合わせて、仕事の内容、職場を気軽に変更できるので、子どもを持つママ薬剤師にとっては、大きなメリットです。

 

ちなみに、契約期間が決まっているので、とりあえず「試しに働いてみる」ということもできるので、この気軽さも、人気の1つです。

 

その会社が合わなければ、すぐに辞められるので、『職場に溶け込めるかどうか不安』を持たずに済みます。

 

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また、福利厚生面についても、派遣会社の制度が適応されるので、安心です。

 

派遣薬剤師の魅力は高時給・短時間勤務であること

ブランクからの復帰を目指すママ薬剤師の転職事情

 

在宅ワークという働き方

薬剤師の資格を使いながら、在宅で仕事ができることは、ご存知でしょうか?
今、薬剤師の在宅ワークが増えています。

 

様々な家庭の事情で、外に働きに出られないという人にとっては、家事・育児の合間に仕事ができる在宅ワークというのは、願ってもない働き方と言えるでしょう。

 

薬剤師の在宅ワークには、メディカルライティング、問い合わせ対応、薬剤文献の翻訳、書類作成、DIといった仕事があります。

 

薬剤文献の翻訳には、高度な英語力や文章力が必要となるなど、調剤業務とは、また違ったスキルが必要となり、誰にでもできるわけではありませんが、専門性が高いだけに対応できる人は、高収入を得ることができます。

 

そして、在宅ワークだと、自分のペースで仕事ができるので、家庭や育児とのバランスを取りながら働けます。今日は、子どもの行事を優先して、仕事は休みにするといった柔軟な働き方が可能です。

 

  • 通勤がないので、その分、時間に余裕ができるし、無駄な体力を消耗することもない
  • わずらわしい人間関係に悩む必要もない

 

こんなことも、ママ薬剤師のなかで、在宅ワークの人気が高い理由となっています。

 

どの業務も、事務的な仕事となるので、そこが苦痛でなければ、オススメです。

 

在宅ワークは収入が不安定

ただし、在宅ワークもオイシイことばかりではありません。先ほど、高収入が期待できると書きましたが、その反面、極めて不安定です。

 

また、初めて、その業務に取り組む場合、実績がないので、調剤薬局やドラッグストアで働くよりも、時給は低めに設定されがちです。

 

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在宅ワークの場合、時給ではなく、この仕事は1件50000円といった報酬制となっているケースも多いです。

 

また、仕事の量が一定ではないので、今月は忙しかったけど、来月は仕事がないといったこともあります。

 

ここまで極端なケースは少ないのですが、普通に働くよりも、収入の安定性が落ちることは間違いありません。

 

実績を積めば、高収入を得られる可能性があり

でも、仕事で経験を積んでいけば、その実績に応じて、報酬単価が上がります。クライアントと信頼関係を築くことで、単価をアップしてもらえたり、仕事の依頼が増えていったりということも起こります。

 

自分の力で、収入を増やしていけるというのは、在宅ワークの面白さでもあります。ここに魅力を感じて、在宅ワークを続けているママ薬剤師も多いです。

 

在宅ワークは自己管理能力が必須

在宅ワークをこなすうえでは、自己管理能力が重要です。自分でスケジュールを決めて、仕事を行うことになります。

 

仕事をさぼっていても、誰からも何も言われないので、そういった自由な状況のなかでも、やるべきことを続けていく、意志の強さが重要です。

 

また、自分のキャパを把握して、こなせる範囲で仕事を引き受けるという意識も大切です。ここがずさんだと、締め切りを守れず、クライアントからの信頼を失ってしまったり、無理をし過ぎて、体を壊してしまったりするかもしれません。

 

また、細かいことですが、在宅ワークをする時に忘れてはいけないことは、自分で確定申告を行わなければいけないということです。

 

こういったことを全て自分一人で行うことになるので、向き不向きがありますが、自分を上手に管理できる人であれば、在宅ワークは家庭とのバランスを取るには最適なので、この働き方を選ぶ人は増えています。

 

在宅ワークは家庭とのバランスを取るのに向いた働き方である

ブランクからの復帰を目指すママ薬剤師の転職事情

 

今どきの薬剤師の収入事情~年収、待遇面の実情を暴露~

薬剤師の仕事は、一般的に「高額給与」というイメージが強いのですが、実際のところは、どうなのでしょうか?

 

薬剤師が働く職場としては、調剤薬局、ドラッグストア、病院、企業・製薬会社などがありますが、それぞれ、どのような待遇になるのか、簡単にまとめてみます。

 

調剤薬局に勤務する薬剤師の年収、待遇

調剤薬局は、フルタイム勤務で働いた時の年収が350万~600万円と、年齢や経験年数により、幅がかなり広くなります。

 

定時で帰宅できる職場も多く、子どもを持つママ薬剤師には最適ですが、先ほども触れたように、正社員になると、責任が重くなるので、気軽に働くことは難しくなります。

 

なお、これは仕事と家庭・育児を両立させなければいけない、ママ薬剤師には縁が無いことかもしえませんが、管理薬剤師など、役職に就くことで、手当が4~7万円ほど上がります。時間に余裕があるようでしたら、高みを目指して、可能性を広げてみるのも良いでしょう。

 

ドラッグストアに勤務する薬剤師の年収、待遇

ドラッグストアに勤務する薬剤師の年収は、450万~700万円と、給与は調剤薬局よりも上です。

 

ただし、仕事の量は非常に多く、勤務時間は長くなりがちです。また、土日がかき入れ時となるので、休みを取るのは非常に難しいです。

 

パートだと、働く曜日・時間帯を指定出来ますが、土日に休ませてくれる会社は、あまりないです。少なくても、土日のどちらかには、出勤するものと考えておいたほうがいいです。

 

そのため、ママ薬剤師のなかには、ドラッグストアを敬遠する人が多いです。

 

病院に勤務する薬剤師の年収、待遇

病院は、薬剤師業界のなかでは、最も年収が低い職場であり、おおむね300万~600万程度になります。

 

また、クリニックであればともかく、総合病院・国立病院となると、日々の業務に加え、研修や論文発表が多くなり、薬剤師も関与することが求められますが、通常業務とは別にこなすことになるので、その分、仕事の時間が増えます。

 

小さな子どもがいるママ薬剤師には、あまりオススメの職場ではありません。

 

製薬会社に勤務する薬剤師の年収、待遇

製薬会社は、高い給与額を提示しているイメージがありますが、実際は、年収は400万~800万と幅広いです。

 

大手企業の製薬会社、その中でもMRとなると、20代後半、30歳前半の若い人でも、800万~1000万円の収入を得ており、薬剤師のなかでも、収入は高水準となりますが、激務です。

 

こちらも病院と同様に、家庭がある女性には、不向きな職場です。

 

収入は扶養内で収めるべき?それとも、扶養外まで働く?どっちが得か考える

パートの雇用形態で働く場合、扶養内で働くか、それとも扶養を抜けて働くのか、選択を迫られると思います。

 

それは配偶者控除の問題です。以前、この制度を活用するため、年収を103万円以下にしておいたほうがいい、103万を超えるのであれば、130万円までにしておいたほうがいいといったことが言われていました。

 

でも、平成29年から税制が改正になり、この数字は古いものとなりました。では、改正後は、どんなことに注意すればいいのか、改正となった部分を中心に見ていきます。

 

最新の税制をチェックしましょう

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配偶者控除の上限が150万円に上がった

配偶者控除というのは、配偶者(妻)がいる場合に認められる税金の控除制度です。配偶者というのは、法律的には『納税者と婚姻して生計を一にする者であること』とあるので、一般的に言えば、奥さんですね。

 

旦那さんが働いて、税金を納めている。奥さんが専業主婦。そういった時に、旦那さんの税金を一定額、控除(減額)しますよという制度です。

 

控除額は、下記のように納税者の収入に合わせて、変化します。

 

控除を受ける人の合計所得金額控除額
900万円以下38万円
900万円超950万円以下26万円
950万円超1000万円以下13万円

 

ただし、この配偶者控除には、一つ条件があります。それは、配偶者の収入が一定額以下、もしくは無収入であるということです。

 

それが、以前は年収103万円であり、この金額を超えると、旦那さんは控除を受けられなくなり、納税額がアップします。

 

これで、奥さんの年収が300万、400万といった金額であれば、何も問題はないのですが、たとえば、110万円といった金額だと微妙です。

 

103万円の時と比べて、7万円、奥さんの収入が増えますが、旦那さんの納税額を考えると、家計で見たら、差し引きマイナスになるケースが多く、そうなると、わざわざ働くのがバカらしいという話になります。

 

それで、多くの主婦が年収103万円を超えないように、仕事を調整してきました。これがいわゆる103万円の壁ですが、平成29 年度の税制改正によって、2018年を持って、給与年収の上限が150万円へ引き上げられました。

 

年収150万円を超えた人が対象となる配偶者特別控除

103万円の壁は150万円になりましたが、今度は年収150万を超えると、いきなり税負担が増え、手取りが少なくなってしまう恐れがあります。

 

そこをフォローするために、設けられている仕組みが、『配偶者特別控除』です。『配偶者控除』の上限を超えた人を対象とする制度ですが、年収201万円を上限として適用されます。

 

配偶者特別控除の控除額については、こちらも納税者の収入に応じて変化しますが、かなり細かく設定されています。

 

<納税者本人の年収が1120万以下の控除額>

配偶者の合計所得金額控除額
38万円超85万円以下38万円
85万円超90万円以下36万円
90万円超95万円以下31万円31万円
95万円超100万円以下26万円
100万円超105万円以下21万円
105万円超110万円以下16万円
110万円超115万円以下11万円
115万円超120万円以下6万円
120万円超123万円以下3万円

 

最大38万円の控除額となりますが、これが1170万円以下では最大26万円、1220万円以下なら最大13万円、1220万円超えると免除なしというふうに、旦那さんの収入に応じて、減額される仕組みとなっています。

 

これまでは、納税者本人の収入は関係なかったので、より厳しい制度設計になったと言えます。

 

ママ薬剤師の場合、週20時間勤務が目安

ここまで、扶養の話をしてきましたが、ママ薬剤師として働く時には、特に注意する必要があります。薬剤師は時給が高いだけに、すぐに上限値を超えてしまうからです。

 

仮に時給額2150円とした場合、週14時間働くだけで、年収は156万円となり、150万を超えることになります。

 

また、週20時間勤務となると、年収は223万円にアップ、ここで201万円の壁を突破します。

 

ただし、逆に言えば、これぐらいの勤務時間でも、年収200万円近くになるのですから、家計の足しにする程度であれば、あまり負担なく稼げるということです。こうやって見ていくと、薬剤師というのは、やはり恵まれた仕事です。

 

補足

1日4時間x5日となれば、平日の昼間だけといった働き方が可能なので、家庭や育児への負担も最小限に抑えられます。

 

<時給と月収、年収の計算例>

時給週の勤務時間月収年収
180017122,4001,468,800
180023165,6001,987,200
200016128,0001,536,000
200021168,0002,016,000
215014120,4001,444,800
215019163,4001,960,800
240013124,8001,497,600
240017163,2001,958,400

※150万、201万円の前後で、最も近い数字で勤務時間を調整しています

 

ママ薬剤師が週20時間以上働くのであれば、できるだけ多く

年収201万円のラインを超えた後は、働けるだけ働いたほうが、家計としての所得が増えることになります。

 

ただ、ママ薬剤師の場合、フルタイムで働くといったことはキツイと思いますので、週20時間ぐらいを目安にすればいいかと思います。

 

ちなみに、この20時間というのは、時給によって変わってきますが、1年間は52週なので、単純に計算すれば、週給に換算すると、38461円となるので、この数字を時給で割れば、上限時間が分かります。

 

月給だと15万3846円です。

 

Check!

勤め先によっては、時給とは別に手当がもらえたりすると思いますが、そうなると、計算式が違ってきます。この数字は、あくまでも、おおよその目安程度に捉えてください。

 

一番確実なのは、控除内で働きたいということを、最初に伝えておくことです。そうすれば、どれくらいの勤務時間が妥当なのか、計算して教えてくれます。

 

ママ薬剤師の場合、週20時間勤務が目安

ブランクからの復帰を目指すママ薬剤師の転職事情

 

控除内で働く時は、年間で考えるケースも多い

薬局だと、ママ薬剤師向けに『扶養内勤務OK』としているところも多く、そういった職場であれば、間違いないのですが、この場合、勤務スケジュールを年ベースで考えてほしいと言われることもあります。

 

これは、忙しい時に、勤務時間を増やして、そのかわり、暇な時には休むというふうに、店舗のほうで人手が欲しいタイミングで、働いてもらいたいということです。これだと、会社側も効率的に人を雇えるので、無駄がなくて助かるというわけです。

 

働き方が不規則になるというデメリットはありますが、お店が忙しい時に働いて、そのかわり、家庭の用事がある時には、そちらを優先して休みにしてもらうといった融通の効く働き方ができます。

 

自分と会社の都合がピッタリ合えば、お互いにメリットがあるので、こういった話があった時には、最初から断らず、自分にとってプラスになるかどうか、考えてみてください。

 

また、こういった会社だと、扶養内におさまるように、最終的には調整してくれるので、安心です。

 

ママ薬剤師が仕事を探す時に注意すべきこと

復帰を決意したら、仕事を探すことになりますが、ただ漠然と探しても、うまくいきません。ここからは、就職活動を成功させるためのポイントをまとめてみます。

 

仕事を選ぶ基準を明確にする

仕事を探す時には、まず自分の優先順位を明確にしておくことです。それは時給かもしれないですし、居心地の良さ、子どもを持つスタッフに対するフォロー体制かもしれません。

 

あるいは、休みの取りやすさ、仕事の忙しさなどかもしれませんが、これは人それぞれなので、自分自身が、一番重要視していることは何か、整理しておいてください。

 

こうやって、価値観を順序立てておくことで、職場に求めることもハッキリしてきます。

 

希望条件に合う職場が見つからない時には、転職会社に相談する

優先順位がついたら、その条件に合わせて、仕事を探すことになりますが、求人サイトをチェックしても、全然見つからないということもあると思います。

 

その時には、薬剤師の求人を扱っている転職会社に登録して、仕事を紹介してもらうようにしてください。

 

薬剤師の求人には、表に出てこないものが多いのですが、転職会社であれば、それらの求人を押さえているので、情報量が違います。あなたが求める条件に合う仕事を紹介してくれる可能性が高いので、相談してみてください。

 

なお、ネットで検索するなどして、自分で調べるのはかなり面倒ですし、時間も取られます。子どもや家庭のことで忙しいママ薬剤師にとっては、この作業自体も、大きな負担になると思います。

 

もし、大変であれば、自分で探すことはせず、最初から転職会社に紹介してもらうようにしてください。このほうが楽です。

 

Check!

転職会社に希望条件を伝える時には、内容は具体的であればあるほどいいです。給与額は月に○円欲しい、勤務時間は9時~15時までなど、数字で表現できると、完璧です。

 

これであれば、転職会社も求人を探しやすくなります。

 

薬剤師の求人を扱う転職会社に登録する

ブランクからの復帰を目指すママ薬剤師の転職事情

 

面接を受ける時には、担当者の雰囲気を観察する

希望条件に合う求人が見つかったら、面接を受けることになります。面接というのは、企業側から人を見極める場ですが、同時に応募する側が、その会社の内情を確認する機会ともなります。

 

面接となると、受かることで頭がいっぱいになる人が多いのですが、自分がその会社を選ぶという意識も持つようにしてください。

 

そして、その会社の内情を把握するうえで、最も重要なのが、面接官の人間性です。高圧的で無礼な態度で接してくる面接官であれば、その職場はパスしたほうがいいです。

 

会社全体として、人を見下す風土となっている可能性が大です。立場の上下にかかわらず、相手に公平さ、誠実さを持って接することができないような人がいる職場だと、働き始めた後、人間関係に悩まされる可能性があります。

 

就職希望者を面接するスタッフというのは、いわば、その会社を代表する人物であり、その人物は、こんな調子だと、会社の質も知れています。

 

どれだけ条件が良かったとしても、辞めておいたほうがいいです。

 

可能であれば、職場見学をしておく

会社によっては、事前に職場を見学させてくれますが、出来る限り、実際に訪問して、自分の目でチェックするようにしてください。

 

事前の見学を受け付けている会社というのは、それだけ自信がある証拠なので、恐らく、問題はないのですが、それとは別に、向き不向きの問題があります。

 

特に、小さな会社だと、同じ人と毎日、働くことになるので、職場の人間関係に合わないと、辛さを味わい続けながら働かなければいけなくなるので、大問題です。こういった状況を防ぐために、事前に見学しておくことはとても重要です。

 

幸い、病院や薬局、ドラッグストアはお客として尋ねることが出来るので、気軽に雰囲気を感じることが出来ます。

 

その時、内勤で働いているスタッフの対応や受付の様子など、観察してみると、その職場の教育体制など知ることも出来ますし、スタッフ同士の雰囲気で人間関係も解ります。

 

Check!

自分で確認することは大事ですが、客観的視点や意見が欲しいことも、あると思います。

 

その時は、転職会社の担当者と話してみることをオススメします。職場の内情など、詳しい情報を握っており、仕事を探す人間には気付かないことを教えてくれるので、とても参考になります。