このページでは、小林製薬への転職を検討している薬剤師の方を対象に、中途採用求人の傾向や、給与水準、就労環境などについて、まとめていますが、一点だけ注意点があります。それは、薬剤師というだけでは、小林製薬の中途採用求人に応募することは出来ないということです。
小林製薬が中途採用で募集をかけているのは、研究開発職となります。医薬品、医薬部外品、健康食品、スキンケア・衛生用品、日用品等、対象商品は多岐に渡りますが、いずれにおいても、製品開発業務に関する実務経験が必須となります。
そのため、これまで、薬局で調剤業務に取り組んできたといったような人だと、対象外となります。開発業務経験というのは、絶対条件となり、未経験者が応募出来る余地は全くないので、諦めざるを得ない状況です。
これまで調剤業務の経験しかないという人は、薬剤師の有資格者を募集している製薬会社も存在するので、こういった会社の求人を狙うようにしてください。ただし、数はかなり限られてくるので、探しても、なかなか見つからないかもしれません。
その時には、薬剤師の転職支援に力を入れている転職会社に相談してみることをオススメします。応募出来る求人があれば紹介してもらえます。
また、問い合わせたタイミングで、有効求人が存在しない時には、求職者登録(会員登録)をしておけば、新規求人が発生した時に、メールや電話などで、その都度、教えてもらうことが出来るので、確実に求人情報を押さえることが出来ます。
応募出来る求人が出てくるまで、数ヶ月程度はかかってしまうかもしれませんが、粘り強く待てば、チャンスは出てくるので、ある程度長い目線で、転職活動に取り組むことをオススメします。
下記に、薬剤師専門の転職会社のなかで、民間企業からの求人案件の取り扱い実績が豊富な会社をリストアップしておきますので、参考にしてください。
<民間企業からの求人案件の取り扱い実績が豊富な薬剤師専門の転職会社>
目次
小林製薬の社員年収について
それでは、ここから小林製薬の就労環境について、お伝えしていきます。薬剤師向けということで、営業職や研究開発職を中心にまとめていきますが、参考までに、管理部門などの情報にも触れていきます。
まずは、社員の年収についてですが、幾つかサンプル例を挙げると、下記のような数字になります。
27歳 営業 年収500万円
32歳 営業 年収650万円
40歳 営業 年収650万円
30歳 営業(主任) 年収600万円
37歳 営業(係長) 年収800万円
35歳 営業(課長) 年収1000万円
30歳 開発 年収500万円
33歳 開発(係長) 年収750万円
40歳 品質保証 年収600万円
30歳 薬事 年収600万円
基本給に住宅手当、家族手当が支給されるという給与体系となっています。別途、賞与が付きますが、小林製薬は基本給を抑えて、その分、賞与額を多くするという方針を採っているため、年収に占めるボーナスの割合が高くなっています。
特筆すべきこととしては、住宅手当の手厚さです。入社5年目までの独身社員だと、家賃1万円の借り上げ寮に住むことが出来ますし、それ以外の社員に対しても、住居費の6割を会社が負担する仕組みとなっています。
また、個人で住宅を購入した場合でも、補助が出るなど、非常に充実しています。これに家族持ちの場合、家族手当が支給されますし、各種財形制度も用意されているので、福利厚生については、非常に充実しています。
こういったことも含めると、小林製薬の給与水準は、大企業のなかでも、平均以上の部類に入ると言えます。
人事評価制度について
小林製薬の人事評価制度は、営業・マーケティング部門と、それ以外の部署(研究開発部門、製造部門、管理部門)において異なっています。
どちらも、個人が設定した目標の達成度合いが、一つの基準となりますが、管理部門や開発部門では、具体性が乏しいため、曖昧な評価になりがちです。結局は、上司の評価次第ということになりますが、社内で統一された基準がないため、結果的に年功序列に落ち着くといった状況です。
営業・マーケティングについては、売上という目に見える分かりやすい指標があるため、数字で判断されることになります。
ただし、達成度合いで図られるため、元々、売上額が高い部署で、計画通りの数字を挙げるよりも、売上が少ない部署で、目標を上回る数字を残したほうが、評価が高くなるといった不公平さも生じています。
小林製薬の成長環境について
業務に関する専門知識やロジカルシンキング、プレゼンスキル、リーダーシップなど、汎用的なビジネススキルを学ぶための社内研修制度が用意されていますが、それほど活用はされていない状況です。
会社側も、利用を積極的に推奨しているわけでもなく、業務に追われる部署だと、受講するだけの時間が確保出来ないという事例も多々見受けられます。
それよりも、業務を通じて自分を成長させることが出来たという社員が多いです。小林製薬は社風として、年齢やポジションにかかわらず、やる気がある人に対して、重要度が高い仕事を割り振る風潮があるため、意欲がある人は、大きな仕事にかかわることが出来ます。
また、小林製薬はニッチな市場を狙って、独自の商品を開発していくというコンセプトを持っているので、新しいものを生み出すための創造力、及び、そのアイデアを形にするための行動力や提案力については、仕事に真剣に取り組むなかで、自然に磨かれていきます。
また、小林製薬はスピード重視の経営をしている会社なので、短期間で成果を出すことが求められます。そういったプレッシャーを受けながらの業務となるので、社員も鍛えられ、成長ペースが速くなるという理屈です。
ワークライフバランスについて
管理部門であれば、残業時間が少なく、有給休暇の取得率も高いので、ワークライフバランスは良好と言えます。ただし、営業部門、開発部門については、仕事量が多いため、毎日、遅くまで残業が続くというのが、当たり前になっています。
ノー残業デーを設けるなど、是正に向けた取り組みが始められていますが、元々、長時間労働を美化する風潮があった会社なので、社員(特に中高年の管理職層)の意識改革には苦戦しているようです。
その反面、休日出勤については、発生する頻度が少ないので、週休2日は確実に確保出来ます。有給休暇の取得については、部署によって異なるので、一概には言えませんが、営業・開発、どちらも、決して高い数字ではありません。
女性の働きやすさについて
小林製薬は化粧品やサプリメントなど、女性をターゲットとする商品の開発に力を入れていることもあり、女性社員を大切にしている会社です。
仕事の割り振り、評価体系については、男女平等ですし、部署によっては、消費者としての女性の意見を重視するということで、むしろ、男性社員よりも、主軸になって業務が遂行されているケースもあります。
管理職に占める女性の割合についても、他社と比較すれば、かなり高くなるので、キャリアアップ志向が強い女性にとっても、満足出来る環境だと思います。
また、子育て支援に対する制度設計もしっかりしており、周囲の社員の理解もあるので、産休・育休の取得率も高いですし、復帰後も休職前と同様の仕事につけますし、時短勤務を選択することも出来ます。
ただし、営業部門については、男性社会の雰囲気があること、顧客の都合などで、どうしても長時間労働が避けられないことから、女性にとっては、決して働きやすい環境とは言えません。独身のうちはともかく、結婚後は違う部署への異動を願い出る人が多いです。
小林製薬の転職先としての価値
ここまで、小林製薬の就労環境について見てきました。良いところもあれば、悪いところもあれば、全体的に見れば、まずまず働きやすい会社と言えるでしょう。福利厚生を含めた給与水準も高めなので、実利という点でも悪くありません。
また、小林製薬で働いていたというのは、転職市場においては武器となるので、何らかの理由で、再転職をすることになった時にも、有利なポジションに立てます。
そういったことを考えると、転職を目指すには良い会社と判断出来ます。もちろん、冒頭で触れたように、薬剤師の資格だけでは、小林製薬の中途採用には応募出来ず、ハードルは高くなりますが、会社の就労環境としては、おおむね、こういった結論になるということをお伝えしておきます。