100年以上の歴史を持つ、日本を代表する製薬会社、塩野義製薬。長年、抗生物質の研究開発に力を入れ、1980年代には、売上高首位を記録するなど、大きな成功をおさめましたが、90年以降は、感染症領域、がん性疼痛緩和領域、循環器領域を主軸としています。
耐性菌の問題が取り沙汰され、抗生物質の使用量が落ちたことを起因として、一時期、急激な減益に直面しましたが、高脂血薬の開発に成功した2010年以降、急速に業績を回復、勢いを取り戻しています。
そのため、人材登用のペースを加速させており、中途採用に関しても、積極的に募集をかけています。
中途で入社した人間や、勤務先会社の買収に伴い、塩野義製薬に籍を移したという人が、あまりの待遇の良さに驚いたという事例が次から次へと出てくるぐらい、塩野義製薬は好待遇の会社です。
苦境に立たされた時にも、それは変わらず、今でも、製薬会社のなかでは、一二を争う存在と考えて間違いありません。転職を目指すには、とても良い会社なので、ぜひチャレンジしてみてください。
このページでは、塩野義製薬の中途採用求人の状況や、社員年収、就労環境などについて、まとめていますので、参考にしてください。
目次
塩野義製薬で募集がかかっている中途採用求人の概要
現在、塩野義製薬では、下記の6職種において、中途採用者を募集しています。全て薬学が活きる職種であり、薬剤師の有資格者からの募集を歓迎しています。
- 品質保証
- 臨床試験・安全配慮義務監査
- 統計解析
- 製剤研究
- 分析化学研究
応募条件に関しては、該当業務に関する実務経験、専門知識を有することが必須とされるケースが多くなり、製薬会社やCRO企業などで働いていた経験を持つ人間、医薬品開発・臨床試験・薬剤申請などの業務に従事していた経験を持つ人間が、優先的に採用されています。
そのため、薬局やドラッグストアでの勤務経験しかないという人だと、採用されるかどうかは微妙なところなのですが、調剤業務での実績を買われて、転職出来たというケースもゼロではないので、調剤薬剤師からの転職を考えている人にも、チャンスはあります。
なお、実務経験以外では、語学力が問われるケースが多くなっています。ビジネスレベルで、海外担当者とコミュニケーションを取れることが求められるので、かなりハードルは高いです。
一応、TOEIC730というのが目安になっていますが、実際には800以上のスコアを取得出来るような人でないと、業務を遂行するのは難しいです。
塩野義製薬における薬剤師の年収事例
薬剤師の資格を活かして働いている人の職種は、多岐に渡り、職種ごとに年収額は異なりますが、幾つか、代表的な事例を挙げると、下記の通りとなります。
- MR 30歳 年収600万円
- MR 34歳 年収800万円
- MR 35歳 年収750万円
- 営業課長 38歳 年収1000万円
- 研究開発 30歳 年収600万円
- 研究開発 30歳 年収800万円
- 研究開発 35歳 年収750万円
- 研究開発マネージャー 37歳 年収900万円
- 品質保証 27歳 年収500万円
- 品質保証 32歳 年収650万円
給与体系は、研究・開発・営業・管理・事務等、複数の職群ごとに、給与テーブルが設定されており、それぞれで若干違いがありますが、給与額自体は、おおむね、どの職種も同じような金額となります。
基本的に、年功序列の給与体系となっており、勤続年数・年齢に応じて、給与が上がると考えてください。ここ数年、実績重視の評価制度への切り替えが図られており、賞与額の算定に影響が出てきていますが、ごく限定的です。
そのため、自分の努力と収入が比例しない体系となっており、本来であれば、社員に不満を感じさせる要因となるはずですが、冒頭でも触れたように、塩野義製薬は、同業他社と比較して、給与水準が高い会社です。
加えて、社宅制度・家賃補助制度・食事手当など、福利厚生も充実しているため、収入面に関しては、不満を感じる社員は殆どいないようです。
塩野義製薬の人事評価制度について
給与体系同様、人事評価も年功序列の色が濃い会社でしたが、実力主義の相対評価制度に切り替わりつつあります。まだまだ不十分ですが、評価の公平感を高めるための取り組みに意欲的に取り組んでおり、その姿勢については、現役社員からは、納得の声が出ています。
ただし、塩野義製薬は会社のブランド力で売上が経つこともあり、社員に対するノルマは、それほど厳しくなく、それが評価制度の緩さにも、つながっています。逆に言えば、マイペースで仕事が出来るということでもあり、社員の満足度は決して悪くないです。
本人が希望すれば、チャレンジさせる社風がある会社であり、若いうちから、大きな仕事にかかわれること、部署の異動についても、意向を汲んでくれるので、様々な仕事を経験することが出来るため、やり甲斐を感じやすい職場であることも、満足度の高さの一因となっています。
評価制度に問題がないわけでは無いけど、それで、特に実害があるわけでもないので、許容しているといったところです。
今現在の状況は、こういったものとなりますが、塩野義製薬もグローバル化が進んでいるので、今後は、社員の自立性を高めることにつながる評価体系に変えるとアナウンスしており、今後は、頻繁に内容が変わる可能性があります。
そのため、塩野義製薬への転職を検討する際には、最新の制度体系について、確認するようにしてください。
ワークライフバランスについて
裁量労働制、フレックス勤務を取り入れているため、勤務時間については、自分の裁量で調整出来るようになっており、自由度は非常に高いです。
海外からの対応で、部署によっては、深夜に業務を遂行しなければいけないなど、ある程度の制約はありますが、その分、出勤時間を遅めにするといった対応が可能なので、それほど負担にはならないようです。
1日8時間勤務で、残業が発生するようなことは、そうはないですし、有給休暇の消化率も非常に高い会社なので、ワークライフバランスは極めて良好です。
ただし、体育会系の上司がいるような営業所に配属されると、昭和のノリで、毎日夜遅くまで働かせられるケースもあるので、要注意です。(そういった上司は淘汰されているので、ここ数年で、こういったことは無くなっていくと思います。)
女性の働きやすさについて
製薬会社のなかでは、塩野義は女性の社員比率が低い会社なのですが、女性社員に対する配慮は厚く、現役社員からは『働きやすい』と、高評価を得ています。
ダイバーシティへの取り組みを強化しているため、女性ならではのアイデアや活躍を評価する社風があり、意欲的に仕事を遂行している社員が非常に多いです。
女性社員が少ないにもかかわらず、役員、部長クラスに就いている女性の数が、同業他社よりも多い会社であり、女性管理職比率を高めるための取り組みを、さらに強化しているので、キャリアアップ志向が強い女性にとっては、理想的な職場と言えます。
その一方で、子育て支援に対する理解がある会社でもあり、産休・育休はもちろんのこと、時短勤務制度も用意されているので、復帰した後も、そのまま仕事を続けることが可能ですし、今の仕事が厳しいという場合には、業務負荷が低い仕事に異動させてもらうことも可能です。
上司や周囲のサポートも受けられるので、育児と仕事を両立させながら働いている女性が多いですし、そういった事情があるため、離職率は非常に低いです。(男性社員よりも低い数字となっています。)
塩野義製薬の転職先としての価値
ここまで、様々な観点から塩野義製薬の就労環境について見てきましたが、転職を目指すには、とても良い会社です。薬剤師が就くであろう営業職、研究開発職に限って判断するとしても、どちらも問題なしです。
ただし、完璧な会社は存在しないので、もしかしたら、塩野義製薬は合わない、ほかの会社のほうがいいという人もいるかもしれません。そのため、とりあえずは複数の会社の求人を見比べてみて、最も納得がいく会社を選択することをオススメします。
下記に、薬剤師の転職支援を得意とする転職エージェントをリストアップしておきます。彼らは製薬会社やCRO企業など、薬剤師にとっての有望な転職先候補となる民間企業の求人情報を一通り押さえているので、ぜひ転職先選びについて、相談してみてください。
<薬剤師の転職支援を得意とする転職エージェント>
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転職を目指す会社が決まった場合、年収などの条件交渉を代行してもらうことも出来ます。年収アップに成功するケースが少なくないので、ぜひ、このサポートも利用してください。