プライマリ・ケア認定薬剤師

 

プライマリ・ケア認定薬剤師制度は、2011年から始まった、まだ新しい制度です。これからの高齢化社会において、存在価値が高くなることが予想されているのがプライマリ・ケア認定薬剤師ですが、仕事として見た場合、現在のところはどうなのでしょうか。

 

1:求人数が少ない

残念なことですが、プライマリ・ケア認定薬剤師に対する求人は少ないのが現実です。プライマリ・ケアという概念自体が業界的に浸透していないためです。

 

転職や就職においても、この資格の有無が何か影響を与えるという可能性は少なく、現時点では宝の持ち腐れと言えます。

 

ただし、これは今現在(2014年4月)の話であり、ここ数年で状況は大きく変化する可能性があります。

 

調剤薬局の求人のなかには、プライマリ・ケア認定薬剤師制度になるための単位を取得するために必要な研修会の参加費を負担するといったものもあり、注目度が高まっているのは間違いありません。

 

ただし、絶対的な求人数は少なく、そういった案件を探そうとしても、なかなか見つかりません。薬剤師の転職サイトに登録しておいて、案件が発生したら教えてもらうようにするのがいいでしょう。

 

2:コミュニケーション能力が高い人ほど採用されやすい

プライマリ・ケアというのは、簡単にいえば患者の身近な相談役。健康に関する悩みや疑問が出てきた時に、気軽に話を聞ける人間です。

 

『病院に行ったほうがいい?』、『何科にいけばいいの?』といった医療に関する質問から、『親の介護をしなければいけなくなったけど、どうすればいい?』といった介護に関するアドバイス、普通の人が知らない福祉制度に関する情報を教える等、幅広いジャンルでサポートすることが求められます。

 

そのためには豊富な知識が必要ですが、それ以上に大切なのはコミュニケーション能力です。患者がおかれている状況や求めているものを的確に把握する聴く力、患者に心から納得してもらう、安心してもらうために分かりやすく伝える話す力が十分でなければ、務まる仕事ではありません。

 

従って、プライマリ・ケア認定薬剤師として採用されるには、高いコミュニケーション能力を身につける必要があります。資格を持っているだけでは現場では評価されませんので、注意してください。

 

3:高齢者の多い地域では需要が高くなる

プライマリ・ケアというのは、特定の患者を対象としたものではありませんが、相談相手を最も必要としているのは高齢者となります。

 

そのため、高齢者が多い地域ほど、プライマリ・ケア認定薬剤師に対する需要は高くなることが予想されます。特に若い人が少なく、大半が高齢者といった限界集落のような環境においては、地域医療を支える存在として欠かせなくなるでしょう。

 

こういった地域を対象にすれば、求人がみつかる可能性は高いと言えます。