スポーツファーマシストの求人というのは、正直なところ皆無に等しいのが現実です。それは、そもそも需要の絶対数が少ないことに加えて、日本ではボランティアとしての取り組みが定着しているからです。
スポーツファーマシストというのは、ドーピングに引っかからないように薬や栄養ドリンク、健康食品等の服用に関してアドバイスを行う仕事です。
世界的にドーピングに関する目が厳しくなってきていますが、日本でも同じ流れとなっており、基準が厳しくなるに連れて、禁止薬物が含まれている栄養剤やOTC薬品を不注意で飲むことで引っかかってしまう『うっかりドーピング』が増えています。
これはスポーツ選手にとっては、深刻な問題であり、プロスポーツ選手だけではなく、アマチュアでもドーピングに対する意識は高くなっています。
スポーツファーマシストとして活動されている薬剤師さんに話を聞くと、最も依頼が多いのは高校というケースが少なくないようです。
ただし、最初にお伝えしたように、あくまでもボランティア活動としての取り組みで、スポーツファーマシストとしてだけで生計を立てている人は、ほぼ皆無のようです。
実際、この資格を取得する薬剤師さんも、収入を得る手段というよりは、自分が好きなスポーツの世界に携われることに意義を感じてという人が大半のようです。
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たとえば、日本サッカー協会では、薬を服用する時には、薬剤師やスポーツファーマシストに相談することを推奨しています。
https://credit.j-payment.co.jp/cp/SignIn.aspx
スポーツファーマシストが活躍している職場を作るには?
整形外科の門前薬局だと、スポーツ選手が来院することが多いので、スポーツファーマシストの知識が役立つようです。
ただし、スポーツファーマシストの資格を持っていなければ、その薬局で採用されないというほど重視されているわけではないので、あくまでも二義的なものです。
下記のサイトに面白い薬剤師さんの話が載っています。
https://ds-pharma.jp/gakujutsu/contents/epharmacy/professional/9.html
スポーツファーマシストを仕事として確立出来るように、自ら新しいビジネスモデルを模索しているという方です。
こんなふうに、既存の仕組みに頼らず、自ら仕事を生み出すような姿勢で取り組まない限り、スポーツファーマシストとして食べていくのは難しいでしょう。
そこまでの意欲がない人は、薬剤師として生計を立てつつ、ボランティアとしてスポーツファーマシストの活動をするというのが無難です。
決して、これは悪いことではなく立派な選択肢です。幸い、薬剤師は実入りの良い仕事ですし、土日休みで働くことも難しくありません。生計を立てる仕事と、自分のやりがいを追求する仕事を分けることも考えてみるという発想もアリです。