昨今、過酷な労働条件のなかで社員を働かせる会社を意味する、ブラック企業という言葉が一般的になりつつありますが、薬局のなかにも、違法な長時間労働やサービス残業を薬剤師に強要するブラック薬局・ドラッグストアも存在します。
薬局やドラッグストアは、他の業種の企業と比較すると、ブラックな会社は限られており、就労環境は決して悪くありませんが、問題なのは、こういった会社ほど、薬剤師の離職率が高いので、常に求人を出しているということです。
そのため、求人情報を探すなかで、ブラック薬局にあたる可能性は、その数自体と比較すると、高くなるので、この点には注意しておく必要があります。
大手の転職会社を利用するのが、最大の安全策
では、どのようにすれば、ブラック薬局を避けることが出来るのか?
ネットで検索すると、見極め方のポイントをまとめたサイトが出てきます。そのなかで、代表的なものをあげると、下記のようになります。
- 掃除が行き届いていない薬局
- 従業員が暗い薬局
- 設備が古い(古すぎる)薬局
- 年収など、条件面が良すぎる薬局
これらは、全てもっともなことであり、ブラック薬局を見極めるうえでのポイントとなりますが、重要なのは、そう簡単に判断がつかないということです。
条件面については、他社の求人と比較すれば明確なので、これはいいのですが、それ以外のポイントについては、外部の人間がチェックするのは難しいです。たとえば、職場見学をするとしても、時間にすれば、僅かなものであり、そのなかで、確認するのは難しいです。
職場見学の当日は、掃除を入念にしておくなんて会社も存在します。(ブラックな会社ほど、事前にバレない方法に精通しているものです。)
ですから、実際に入社する前に見極めるというのは、実は難易度が高いことです。自分には出来ないと考えたほうがいいです。(自分は見極められると、下手に自信を持つ人のほうが、かえって騙されがちです。)
では、どうすればいいのか?
当サイトの管理人がオススメするのは、薬剤師の転職支援サービスを展開する転職会社のなかでも、大手会社を利用することです。(大手というのがポイントです。)
転職会社はブラック薬局への紹介を避けたがる傾向があるというのが、その理由です。転職会社というのは、人材を企業に紹介することで、紹介料を貰うビジネスを展開しています。正社員の場合、紹介した人の年収の30~35%というのが相場です。
つまり、仮にあなたが年収600万円で転職した場合、転職会社には200万円前後の紹介料が入るという仕組みです。
ただし、人材紹介ビジネスというのも、競争が激化しているため、転職会社が紹介料を貰うための条件が厳しくなっています。以前は紹介者が入社した時点で、紹介料が発生していましたが、今は3~6ヶ月、勤務を続けた時点で発生するといった条件になっています。
これは、紹介してもらった人に、すぐに辞められたのであれば、転職会社を利用した意味がないということで、設定された条件となっています。
勘が良い人は気付いたかもしれませんが、転職会社からすれば、すぐに辞められてしまっては、ビジネスにならないということです。そこで、継続して働いてもらえるように、企業と転職者のマッチングには、慎重に取り組みます。
では、これとブラック薬局がどう関連するのか?
先ほども触れましたが、ブラック薬局は薬剤師の離職率が高いので、仮に新しい人を紹介したとしても、すぐに辞めてしまう確率が高くなります。
薬剤師というのは、年収が高い職種なので、転職会社からしてみれば、言い方は悪いのですが、大切な商品です。(200万円や300万円の商品と思えば、車を販売しているようなものです。)
ブラック薬局に紹介するなど有り得ないことであり、少しでも満足してもらえるように、良い職場を紹介することを意識しています。(そうしないと、手数料を取れないからです。)
そのため、ブラックな薬局から依頼があったとしても、人材を紹介するということは、そのエリアで、求人が発生している薬局が、そこしかないといったことでもなければ、基本的にあり得ません。
これを、転職する側からみれば、転職会社から提示される求人というのは、一定のフィルタを通ったものなので、安心という理屈です。ただし、求人を確保に苦労している小さな転職会社だと、なりふり構わず紹介してしまおうという発想を持っているところもあるので、注意が必要です。
大手であれば、こういった心配は一切無いので、そのため、大手の転職会社を利用しようという結論になります。下記に薬剤師専門の転職会社のなかでも、最大手となる会社をリストアップしておきますので、ぜひこういった会社を利用するようにしてください。
<薬剤師専門の大手転職会社>
後は、出来るだけ複数の薬局を紹介してもらって、見比べたうえで転職先を決めれば、転職に失敗することはないと思います。