大手薬局、中小規模薬局、それぞれ長所、短所があります。長所が自分が職場に望む要望とうまくマッチすればいいのですが、ここがかみ合わないと、毎日の仕事が地獄になります。
そこで、このページでは、それぞれの特徴をまとめてみます。店舗差もありますが、おおまかな傾向としては参考になるのではと思います。
大手薬局のメリットとデメリット
【メリット】
- 教育体制がしっかりしている
- 調剤機器や設備が充実している
- 企業収益が安定している（倒産の心配がない）
- システム化、IT化が進んでいる
- 人間関係でトラブルがあったとき、店舗異動が可能
- 店舗の運営
- 経営に携わることが出来る
- 代わりの人員がいるため休みが取りやすい
- 接客業を学べる
- キャリアアップの機会が多い（薬局長→エリアマネージャー→教育担当、学術担当など）
【デメリット】
- 仕事が忙しい、残業が多い
- 中小薬局より給料が少ない傾向にある
- 全国転勤がある
- 店舗間ヘルプが頻繁に起こる
- イベントや社内行事、勉強会に休日を取られることが多い
- 業務がパターン化して、マンネリを感じやすい
- 報告、連絡のための業務量が多い
おおむねこういったところです。就職先・転職先を探す時に影響度が多い部分をあげると、大規模薬局のメリットは教育体制が整っていることです。設備も最新のものが多いため、常に時代最先端の調剤業務と関わることが出来ます。
企業としても業績が安定しているため、リストラや倒産の心配もなく、安心して働くことが出来ます。
一方、デメリットは給料が安めなこと、業務量が多いこと。特にベンチャー系の大手薬局チェーンだと、若い男性でも体力的にキツくて辞めざるを得なかったという人が少なくありません。
薬剤師としての能力・スキルを高めたいという人であれば、数年働いて実力をつけてからの転職を前提とした修行の場と捉えれば悪くありません。
しかし、趣味・余暇の充実、家庭や子育てとの両立といったワークライフバランスを重視する人にとっては、やりにくい面が出てくる職場とも言えます。
個人薬局、小規模薬局のメリットとデメリット
【メリット】
- 異動がほとんどない
- 一人に与えられる役割が大きくなり、よりやりがいを感じながら仕事ができる。
- 給与条件が良い
- 社長など経営陣と関わることが出来る
【デメリット】
- 教育体制の整備が遅れている
- 情報共有の体制が整ってない
- 昔ながらのところが多いため、やり方などを変えにくい
小規模薬局のメリットは、なんといっても給与条件が良いこと。特に薬剤師不足が深刻な地方だと年収600万、700万円といった求人も少なくありません。
転勤もまずないので、一つの場所で落ちついて働きたい人にとっては理想的です。
デメリットは教育体制が遅れていること。学びの場としては、大手にはかないません。個人クリニックの門前薬局だと、業務の幅も狭くなり、いつの間にか、ほかでは通用しない薬剤師になっていたなんてことも起こる可能性があります。
一生、パートやアルバイトで続けられたらいいという人であれば、これでも問題ありませんが、薬剤師としてキャリアアップしていきたいという希望を持っている人は、経験の幅を広げるため数年ごとに転職することを考えたほうがいいです。
もう一つ、これはメリット・デメリット、どちらにも転ぶ可能性があるのですが、人間関係が濃くなりがちなので、気が合えば融通を効かせてくれたりして、何かと便利ですが、うまくいかないと、ストレスが詰まった毎日になります。
こういった感じですが、将来性を期待しないのであれば、小規模薬局は好条件でそれほどあくせくすることなく働けるのでいいのではと思います。
一方、自分を高めたいという人にとっては、満足度が低い職場になってしまう可能性が高いので要注意です。好条件に引かれて安易に決めないことです。
