薬事申請というのは、薬剤師が活躍出来る、最も専門性の高い職業の一つと言えます。製薬会社にとっては、薬事承認を得られなければビジネスになりません。しかも、今は競争が厳しく、開発費も高騰しているため、いかに早く製品を市場に出せるかというのは、死活問題となっています。
それだけに高い専門知識や英語力、窓口担当官(厚労省所管の独法医薬品医療機器総合機構)とのやりとりをスムーズに行えるだけの交渉力が必須です。
企業から要求されるスキルのレベルは高く、今現在においては、その大半は経験者の中途採用となっています。中途採用というよりは、出来る人間をヘッドハンティングしているというのが実情です。
こういった状況のなかで未経験者が薬事申請職に就くには、どうすればいいのか?
ポイントをまとめてみます。
目次
1:20代であれば、採用枠は広い
年齢に関していえば、20代であれば未経験者可の求人案件は多いです。育てて戦力にするという発想があるためだと思います。逆に、30を超えると即戦力になることを期待されての採用になるケースが増えるため、未経験者にとっては狭き門となります。
ただし、20代でも医療業界・製薬業界での実務経験があることが条件となるケースが大半です。実務経験ゼロの人が薬事申請職として採用されるということは無いので、まずは業務経験を積むことです。どんな職種でもいいから働いておくことですね。
製薬会社に勤務していれば、社内異動の可能性もあるので、ベストな職場と言えます。
2:管理薬剤師としての経験を積む
では、30を超えた未経験者は転職を諦めるしかないのかと言えば、答えはNoです。薬事業務に関する意欲や熱意が強い人であれば採用するという企業もあります。ですから、面接の時に強く訴えることが重要です。
もう一つ、経験や資格ということでいえば、管理薬剤師として働いた経験を持っていると、評価が高くなる傾向にあります。
ですから、薬事申請職へのキャリアアップを真剣に考えるのであれば、最初のステップとして管理薬剤師になることを考えてみてください。
3:英語を磨く
薬事申請業務では、ビジネスレベルの英語力は必須です。TOEIC700以上であれば、高く評価される傾向にありますので、まずはここが目標値となります。
未経験者は、最初は収入は気にしない
薬事申請職は高収入と言われています。実際、30代で年収700万、800万というのは当たり前です。マネジメントが出来れば年収2000万といった話になります。
ただし、最初にも書いたように実力主義の社会なので、これはあくまでも勤務経験が豊富な人の話です。
未経験者の場合、転職直後は年収500万ぐらいになるのが普通です。ここは業務的に仕方がないことなので、気にしないことです。
とにかく、仕事に就けるということが大きいので、チャンスがあれば条件にかかわらず、転職してしまいましょう。そこで経験を積んでいけば、収入をあげるのは簡単です。
まずは、薬事申請職という仕事に関わること。それがキャリアアップの第一歩です。