このページでは、久光製薬への転職を考えている薬剤師の方を対象に、中途採用求人の傾向や、社員の年収、就労環境などについてまとめています。ただし、その大前提として、押さえておかなければいけないことが一つあります。
それは、薬局やドラッグストアでの調剤業務経験しかない薬剤師だと、応募出来る求人は、かなり限られてくるということです。(ほぼゼロに近いと言ったほうがいいです。)
久光製薬が中途で募集している職種というのは、研究、臨床開発、生産管理・品質管理、安全性情報管理、営業(MR)などとなりますが、いずれも、即戦力の人材が求められるため、これらの業務における実務経験が、応募する際には必要となります。(3~5年程度の経験が必須です。)
調剤業務の経験というのは、カウントされないので、この時点でアウトとなります。過去には、薬剤師の有資格者を募集する求人が発生したこともあるので、可能性がゼロというわけではないのですが、かなり厳しいです。
そのため、久光製薬への転職を狙うというのは、現実的な選択肢ではありません。製薬会社のなかには、薬剤師を募集している企業も存在するので、そういった会社にターゲットを絞ることをオススメします。
もしくは、CRO企業の求人を狙うことです。CRAの求人で、未経験者専用の中途採用枠を設けている会社が多いので、こちらであれば、かなり現実的です。
CRAとしての経験を積んだうえで、その実績を活かして、製薬会社へ転職するというのは、十分に可能性があるキャリアパスなので、CROへ転職してから数年後に、改めて製薬会社にチャレンジするという選択肢もあります。
いずれにしても、調剤経験しかない薬剤師が民間企業へ転職するというのは、かなりハードルが高いこととなります。そのため、特定の企業に狙いを定めるよりも、採用してもらえるのであれば、どこの会社でもいいと、間口を広く取るほうが、仕事に就くチャンスが得やすくなります。
薬剤師の転職支援に長けている転職会社に相談すれば、今現在、どんな求人が出ているのか教えてくれるので、是非一度、連絡を取ってみてください。下記に代表的な転職会社をリストアップしておきます。
<民間企業からの求人案件の取り扱い実績が豊富な薬剤師専門の転職会社>
目次
久光製薬の社員年収について
久光製薬の給与水準ですが、製薬業界のなかでは、低めです。日系の同業他社と比較して、2~3割安、外資と比較すると、ほぼ半分といったところです。幾つか、社員年収の代表的なサンプル例を挙げると、下記の通りとなります。
- 25歳 MR 年収500万円
- 27歳 MR 年収500万円
- 25歳 営業 年収450万円
- 30歳 営業 年収600万円
- 34歳 営業(課長) 年収800万円
- 22歳 経理 年収350万円
- 28歳 開発 年収500万円
- 42歳 開発 年収600万円
基本給に各種手当、年2回のボーナスが支給される給与体系となっていますが、基本給が低めなので、賞与は、それほど高額にはなりません。昇給は年1回。30歳ぐらいまでは、全員、数千円ずつ上がるようになっていますが、それから先は管理職にならないと頭打ちになります。
手当に関して、特徴的なこととしては、久光製薬は住宅手当が充実しています。賃貸で住んでいる時には、自己負担2~3割程度で済むようになっていますし、持ち家に対する補助制度もあり、多くの社員は活用しています。
また、営業職に関しては、2ヶ月に1回、成果に応じて、インセンティブ給が支給されるようになっています。2ヶ月連続で目標を達成した社員に対しては、最大10万円が支給されます。ただし、実際に、手当を受け取れる社員は、ほんの一部なので、あってないような制度という声もあります。
久光製薬の人事評価制度について
目標の達成度合いをベースにした人事評価が行われる仕組みとなっていますが、社内で統一された基準がなく、評価する上司によって、内容が異なっているのが実情です。
特に、研究開発のように、数字で成果を図ることが困難な部署だと、かなり曖昧になり、結果的に年功序列の色が濃くなっています。
営業に関しては、もう少し成果と評価が連動していますが、直属の上司次第という要素が強いです。評価に対するフィードバックもなく、ブラックボックスになってしまっているため、『どうして、あの人が昇格したんだろう?』と、人事に対する疑問がたびたび起きるような状況となっています。
会社として、評価制度の改善に取り組んでいるので、今後は変わってくるかもしれませんが、現時点では、曖昧な部分が多いと考えておいたほうがいいです。(このあたりが気になる人は、転職会社に最新の動向について、確認しておくことをオススメします。)
成長環境について
久光製薬は中堅社員の離職率が高く、30代になって経験を積んだ社員のなかには、他社に転職していく人が少なくありません。そのため、ベテラン社員の比率が少なく、結果として、若手にチャンスが回ってきます。
そのため、若いうちから、責任ある仕事を任せてもらえるので、やる気がある人にとっては、チャンスに溢れた環境と言えます。ただし、こういった背景があるため、常に人材不足という状況に陥っており、先輩社員からのフォローは、あまり期待出来ません。
そのため、必要なことは自分自身で学んでいくという姿勢が必須です。職種別、階層別に人材育成研修のプログラムが充実しているので、こういったものを利用して、スキルアップを図っている社員も多いです。
ちなみに離職率の高い理由の一つとして、管理職のポストが低いこと、管理職になると、残業代がつかなくなるため、年収が思ったほど上がらないことがあります。
元々、他社よりも給与が低い会社なので、経験を積んで、管理職に昇格出来るような立ち位置になってきた人だと、余計、他社との給与差を感じてしまうようです。
管理職に就けるのは、当然、若いうちから意欲的に働いて、実力を付けた人なので、他社へ移ることで、年収が200万円近く変わってくるということも珍しくありません。そのため、そちらに目が行ってしまうという理屈です。
逆に言えば、ここまで見越して、敢えて久光製薬で働いて経験を積むという選択肢もあります。自分から手を上げれば、幾らでも挑戦させてくれるので、そういった意味では、自分を磨きやすい会社とも言えます。
ワークライフバランスについて
営業部門と、それ以外の部署で、状況は違ってきますが、久光製薬は昔ながらの体育会系の気質がある会社なので、定時で帰宅することを良く思わない雰囲気があります。
特に、営業部門だと、この傾向が強く、自分の裁量で仕事が出来るのに、上司の心証を悪くしないように、必要性がなくても、わざと会社に残って、残業をするというケースもあるようです。また、有給休暇の取得に関しても、良く思わない上司が多く、取得率は低いです。
研究部門など、営業以外の部署だと、もう少し状況は良くなりますが、上司次第という要素が強く、昔気質の人間が部門長になっている部署だと、無駄に長時間労働を強いられたり、休みを十分に取れないという状況になっています。
女性の働きやすさについて
研究・開発部門に関しては、女性社員が増えており、業務のなかで、女性の意見が重視される傾向があるなど、女性にとっても、働きやすい環境にあると言えます。産休や育休を取得している人も多いです。
ただし、女性が管理職に就けるチャンスは、男性と比較して限られています。最近は女性のキャリア教育に力を入れているので、今後は管理職になる女性が増えてくるかもしれませんが、現状では、まだまだです。
一方、営業部門だと、完全な男性社会となるので、女性社員は男性社員の補助的な位置づけとなっており、あまり、やり甲斐を感じられることはないでしょう。子供の出産後も働き続けているという人は少なく、結婚を機に退職していく人が多いです。
久光製薬の転職先としての価値
ここまで、久光製薬の社内事情について、様々な観点から見てきましたが、結論から言えば、手放しで、転職したほうがいいと言える会社ではなく、本当に自分に向いている会社なのかどうか、じっくり検討したほうがいいです。
先ほど、転職会社のことに少し触れましたが、彼らは製薬業界全体の求人事情を把握しているので、自分にとって久光製薬が最適な選択肢なのかどうか、第三者の視点で判断してもらうのもアリです。冷静に客観的な視点で、アドバイスしてくれます。
なかなか、こういったことは自分一人で判断するのは難しいので、ぜひ、こういったプロのサポートをうまく活用してください。