薬剤師というのは、経験・知識がモノを言う仕事なので、他の職種と比較すると、高齢でも仕事に就ける可能性が高い職業です。管理人の義母も薬剤師ですが、70歳になっても現役の薬剤師として、毎日に業務に取り組んでいます。
ですから、60歳、65歳といった年齢は、まだまだです。幾らでもチャンスがありますが、ただし、本人の実績次第で、状況は大きく変わってきます。
たとえば・・・
A:薬剤師の免許は持っているけど、使用したことがない
B:昔、薬剤師として働いていたけど、20年のブランクがある
C:今まで、30年間、継続して働いてきている
この3人を比較した場合、仮に同じ年齢の薬剤師だったとしても、雇う側から見た評価は全く違うというのは、わざわざ言わなくても分かると思います。管理人の義母はCにあたるので、最新の薬学事情にも精通していますし、仕事の感覚も維持しているので、70歳を超えた今でも、現役で通用しています。
ブランクがある人だと、仕事に慣れるまでに時間がかかりますし、60代ともなると、さらに厳しくなるので、Aの人は相当厳しいと思います。ただし、60歳まで民間企業で働いて、定年退職になったというような人だと、社会人経験を買われて、仕事に就ける可能性は十分にあります。
これが、ずっと主婦で、アルバイトぐらいしか仕事はしたことがないということだと、難しいかなというのが正直なところです。
目次
条件面で厳しい高齢者が仕事に就くためのヒント
ここまでの話を前提として、A やBのような人でも、仕事を得るために出来ることをまとめてみますので、参考にしてください。
調剤薬局よりもドラッグストアを狙う
経験面で不安がある高齢者に、いきなり調剤業務を任せるという薬局は、殆ど存在しないと思います。一方、ドラッグストアであれば、OTC販売業務専任ということで、雇ってもらえる可能性は十分にあります。
ドラッグストアは忙しいこと、長時間労働になりがちなことなどから、薬剤師からは敬遠されがちであり、特に、OTC販売は、調剤ほど知識やスキルを必要としないので、不人気です。
こういった事情から、薬剤師の人材不足に陥っている店舗は少なくありません。こういった店舗であれば、常駐するスタッフがいない空白の時間を埋めるために、高齢の薬剤師でも採用するということは十分に考えられます。
この場合、薬剤師の資格を持っている人が欲しいというのが本音なので、あまり戦力としては捉えずに採用されたりするので、仕事振り自体に関しては、それほど多くは期待されておらず、逆に気楽に働けます。
個人経営の調剤薬局を狙う
調剤薬局で働くことを目指すのであれば、大手よりも個人薬局を狙ってください。個人経営の薬局だと、人材確保に悩んでいるところが多いので、採用してもらえる可能性があります。処方箋枚数が少ない薬局であれば、業務を何とかこなせるはずです。
(恐らく、そういった店舗でないと、高齢の薬剤師を雇うことはしないと思います。)
僻地の店舗を狙う
薬剤師のなり手が少ない地域であれば、高齢であっても雇ってもらえる可能性があるので、街中よりも田舎、田舎のなかでも過疎地・僻地のほうがチャンスありということになります。
かといって、今、東京に住んでいるという人が、仕事を求めて引っ越すなんてことは、まず無理なので、あくまでも、今現在、こういった地域に住んでいるということが条件になりますが、当てはまる人は、仕事が見つかるかもしれないので、ぜひ探してみてください。
バイトで働く
フルタイムで働くことを考えている人はいないと思いますが、さすがに雇うほうも、正規雇用ということは考えておらず、人員不足をカバーするためのアルバイト・パートといった位置づけになるはずです。
だから、バイトで働くというのは、当たり前の話ではあるのですが、重要なポイントとしては、『週3日2時間ずつだけ働いて欲しい』といったような、短時間勤務を受け入れてくれる人に対するニーズが存在するということです。
これぐらいのペースだと、幾ら時給が高いといっても、たいした収入にはならないので、当然、現役の薬剤師には無理な働き方です。せいぜいが主婦ぐらいですが、そうはいっても、みんなある程度、まとまった収入を欲しがるので、たいしてお金にならない仕事は敬遠されます。
ここで、高齢の薬剤師にチャンスが回ってくるというわけです。この場合、主軸となる薬剤師がいて、サポート的に働くという形になるので、それほど大きな責任を負わずに済みます。
60代の高齢者からの応募を受け付けている求人を扱う転職会社
ここまで見てきたように、高齢の人でも、チャンスはゼロというわけではないので、働きたいという人は、最初から諦める必要はありません。ぜひ、仕事を探してみてください。
なお、仕事を探す時には、転職会社を利用することになると思いますが、年齢が高い層からの応募を受け付けている求人を扱っているのは、大手会社に限られます。管理人が知る限りでは、ファルマスタッフ、アプロ、薬キャリあたりは、取り扱い数が比較的多いです。
日本全国の求人をカバーしているので、希望勤務地にかかわらず利用することが出来ます。情報源として頼りになる存在なので、一度相談してみることをオススメします。
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下記ページに、60代の薬剤師が活躍している薬局からの求人情報をまとめています。あくまでも一例ですが、こういった求人も存在するということで、参考にしてみてください。