薬学部を卒業したけど、全く違う仕事に就いたので、調剤の経験はない。でも、出来れば薬剤師として働きたいと思っている。
調剤薬局で活躍している人のなかでも、こういった未経験のいわゆるペーパー薬剤師の方は少なくありません。どこの職場でも、未経験者向けの研修が用意されているものなので、ペーパーだからといってあまり心配する必要はありません。
ただし、薬学部を卒業してからのブランクがあまりにも長いと、やっぱり大変です。医療は日進月歩の世界なので、数年のブランクでも現場についていくことは容易ではありません。
それなりの準備や配慮が必要です。このページでは、ペーパー薬剤師の人が働き始める時に頭に入れておいたほうがいいことをまとめてみました。
目次
1:大きな病院の門前薬局は避ける
大きな病院の門前薬局だと扱う医薬品が1000品目以上になり、覚えるのが大変です。処方の内容も一包化、粉砕、シロップなど、何でもアリでかなりハードです。
ペーパー薬剤師がついていくのは現実的に無理です。忙しい職場なので、丁寧に指導してもらうことも期待出来ず、いつまでも戦力になりません。みんなの足を引っ張ってしまうことになり、精神的にもキツイと思います。
個人開業医の門前薬局であれば、扱う薬が少なくなるので、負担が軽くなります。真剣に取り組めば、数ヶ月から半年で、どこの薬局でも戦力になるぐらいのレベルにはなれるので、給与や労働条件を求めて職場を選ぶのは、この段階になってからのほうがいいです。
ちなみに、同じ開業医でも内科よりは、眼科、皮膚科、外科、耳鼻科のほうが楽です。内科や小児科はハードルが高くなるので避けたほうが賢明です。
2:ドラッグストアの勤務は体力的にハード
ドラッグストアでの勤務を考えているのであれば、想像以上にハードということは頭に入れておきましょう。薬剤師でも店員の一人であり、商品陳列や商品の搬入など、力仕事もたくさんあります。
調剤経験の有無とはちょっと違いますが、体力に自信がない人にはオススメ出来ない職場です。
3:ブランク者向けの研修を受ける
各県の薬剤師会において、研修会が開催されています。実地研修もあるので、調剤薬局で働くために必要なスキルを身につけることが出来ます。ブランクが長い人は絶対に研修を受けておくべきです。
また、ブランクが長いわけではないけど、調剤に不安があるという人も受けておいて損はありません。尚、日本女性薬剤師会だと、通信講座もやっています。
どんな研修があるのか具体的に知りたいという人は、各県の薬剤師会に問い合わせるか、もしくは日本薬剤師研修センターのサイトをチェックしてみてください。
実務経験を積まないと伸びない能力もある
現場で活躍している人に話を聴くと、薬剤師として働くうえでは、大学で学ぶ薬学の知識はそれほど重要ではないという意見も出てきます。大半は現場で学んでいくものだからというのが理由です。
現場で大切なのは社会人としての素養とコミュニケーション能力という意見もあり、ここはどんな仕事であっても社会人経験のある人であれば、その経験を活かすことが出来る部分です。
ですから、実務経験がない、ペーパーというのは、それほど悲観することではないのかもしれません。楽で簡単とは言いませんが、自信を持って頑張ってください。