国家公務員共済組合連合会の中核的医療施設として、昭和33年に設立された、虎ノ門病院。
以前は、国家公務員、及び、その家族の診療のみを行っていましたが、今は、急性期の総合病院として、民間人の患者も、広く受け入れています。
(系列病院には、神奈川県にある虎ノ門分院、埼玉県にある、さいたま診療所病院などがあります。)
虎ノ門病院は、東京都の2次救急指定完示医療機関、臨床研修指定病院、東京都の肝疾患診療連携拠点病院に指定されており、外来のほかに、4部門に分かれたセンターが設置されているなど、高度先進医療を提供する、高い水準の治療環境が整っています。
内科は18科、外科は11科を中核として、小児科・皮膚科等、14科が加わるなど、総合病院のなかでも、専門的な医療に特化しています。
そのため、薬剤師の勤務先として見た場合、ほかの職場と比較しても、より専門的な知識が求められることになり、逆に言えば、業務に取り組むなかで、こういった知識を習得することが出来る職場とも言えます。
ただし、虎ノ門病院の薬剤師の定員数は50名前後と限られているので、求人が発生する頻度は、決して高くありません。
それでいて人気が高いので、募集がかかると応募者が殺到して、すぐに締め切られてしまいます。最近の事例では、今年(2019年)の6月14日頃に、非常勤薬剤師を募集する求人が出ましたが、正社員登用のチャンスがあるということもあって、1週間ほどで募集が終わってしまいました。
虎の門病院への転職のチャンスというのは、非常に限られているのが実情なので、働くチャンスを得るには、こまめに求人情報をチェックして、新しい募集がかかったと同時に応募することです。少しでも遅れると、募集が終わってしまうということを、くれぐれも頭に入れておいてください。
もし、時間的に求人情報をチェックするのが難しいということであれば、虎ノ門病院の中途採用求人を告知している転職エージェントに事前に登録しておくことをオススメします。
登録しておけば、新規で求人が発生した時に、メールなどでリアルタイムで通知してもらえるので、自分で確認する必要がないので楽ですし、うっかり見過ごしたというミスもなくなるので安心です。
注意点としては、薬剤師の求人を扱う転職エージェントは多いけど、虎ノ門病院の求人を扱っているエージェントは、一部に限られるということです。
ここ最近の傾向だと、マイナビ薬剤師、ヤクジョブ、アポプラスステーションあたりが、取り扱い頻度が高くなっているので、登録先として最適です。
目次
虎ノ門病院における薬剤師の求人傾向
冒頭でも触れたように、虎ノ門病院は、薬剤師に関しては、募集をかける機会が少ないです。新卒採用がメインとなるので、中途に関しては、なおさらです。
欠員が出た時に、緊急で補充要員を確保する必要があるなど、イレギュラー的に、募集をかけることが多く、かつ、過去の実績を見ると、契約社員やパートとしての採用となるのが、基本となっています。
その後、勤務実績が認められれば、正社員へ登用されるという流れとなっているので、いきなり正社員として採用してもらうのは、中途の場合、難しいと考えてください。
(ただ、自分の頑張り次第で、正規雇用に就けるので、敢えて、最初は非正規で働くというのも、悪くはないと思います。)
求人情報の入手方法
虎の門病院は、中途採用に関しては、転職会社経由で、募集をかけるケースが多いので、求人情報を確認する時には、転職会社に問い合わせるようにしてください。
(病院の公式サイト内にある、求人情報ページを見ても、新卒採用に関する案内しかありませんが、かといって、中途で募集をかけていないということではないので、そこは勘違いしないようにしてください。)
なお、転職会社では、虎ノ門病院以外にも、様々な病院や薬局、ドラッグストアの求人情報を保有しています。
このページの最後に、代表的な転職会社をリストアップしてありますが、虎の門病院にこだわっていると、なかなか、転職のチャンスが出てこないという状況があるので、ぜひ、ほかの求人のことについても、話を聞いてみてください。
(虎の門病院以上に、魅力を感じる求人を紹介してもらえるかもしれないです。)
薬剤師の給与体制について
パートも含めて、非正規雇用となった場合、時給制となり、1750円というのが、最低ラインとなります。これは、未経験者向けの時給となるので、経験や実績によって、変わってくると考えてください。
(3~5年程度の調剤経験があれば、2000円以上は、もらえるはずです。)
一方、非正規から正社員になった場合ですが、これは、その時点での本人の職務評価に応じて、給与額が決まるので、何とも言えない部分があります。
ただし、虎の門病院では、新卒採用の薬剤師で、基本給が24.5万円で、そこに各種手当、賞与(年2回、約4ヶ月分)が支給されることになるので、年収ベースで、400~450万円ぐらいは見込めます。
そのため、5年程度の実務経験で、年収が500万円を超えるぐらいで、イメージしておけば、大きく外れることはないでしょう。(都内における病院勤務の薬剤師としては、平均的な給与水準ということになります。)
中途採用で転職する時の注意点
未経験者の場合、最低時給でのスタートとなりますが、経験者の場合、前職までの実績をベースに、時給額が算出されることになります。
その一方で、交渉次第という要素もあるので、病院側から提示された金額に納得がいかない場合には、希望時給額を伝えて、話し合うことをオススメします。
100~200円、時給が上がれば、月収ベースで、数万円変わってくるので、トータルの給与額で見ると、バカにならない差になりますし、正社員になった時にも、基本給に影響を与える可能性があります。
一度働き始めたら、そう簡単に、時給を上げてもらえることはないので、転職時の条件交渉というのは、極めて重要です。そのため、中途半端に妥協しないようにしてください。
もし、こういった交渉ごとが苦手であれば、転職会社に交渉を代行してもらうことも可能です。
彼らは、転職のプロなので、この手の交渉に慣れており、うまく話を進めてくれますし、その結果として、上積みに成功するケースも、多いです。
交渉に慣れていない人が無理に行っても、失敗に終わる可能性が大なので、自信がなければ、最初から転職会社に全て任せてしまうのが、賢明です。
薬剤師の就労環境について
薬剤師の就労環境についてですが、平日8時30分~17時15分が、通常の勤務時間となり、土日祝日は休みとなるのが、基本です。(ただし、正社員の場合、状況によっては、週末に出勤する機会もあります。)
虎の門病院の特徴として、特別休暇制度が充実しており、有給休暇に加えて、夏期休暇、年末年始休暇が用意されています。それぞれ、5日間程度は確実に休めるので、定期的にリフレッシュする機会が取れる状況です。
現在、虎の門病院では、薬剤師は、約50名が在籍しています。薬剤部は調剤科、製剤科、補給科、医薬情報科、病棟薬剤科の5部門から構成されており、それぞれ独立した形で業務を行っています。
業務は分業制となりますが、ローテーションで、順次担当することになるので、全ての仕事を経験することになり、幅広いスキル・専門知識を身につけることが可能です。
なお、虎の門病院の場合、病院調剤業務全般に携わることになるので、院内処方だけでなく、一部の外来処方にも、対応することになります。
処方箋枚数は1日180枚程度なので、それほど多い量ではありませんが、ICT、NST、褥瘡対策チーム、がんサポートチームなど、院内チームラウンドにも、頻繁に参加することになるので、仕事の量自体は多いです。
そのため、ある程度は、残業が発生するということを、頭に入れておいてください。
成長環境について
虎ノ門病院の教育体制は、とても充実した内容になっています。先ほども、お伝えしたように、各部門をローテーションで担当することになるので、働きながらスキルを磨くことが出来ますし、週1回の勉強会など、研修制度も充実しています。
通常、病院が、中途で薬剤師を採用する場合、経験者を優先して取ることが多いのですが、虎ノ門病院は、研修体制がしっかりしていることもあり、調剤未経験者も、採用しています。(その場合、基礎から丁寧に教えてもらえるので、安心です。)
また、専門性の高い病院ということもあって、各種認定薬剤師制度の研修施設にもなっており、専門・認定薬剤師の資格取得を積極的にバックアップしているので、資格の取得に興味がある人にも、オススメの職場です。
(虎の門病院に勤務する薬剤師の多くが、何らかの資格を取得しています。)
結論としては、虎の門病院は、仕事自体は忙しい職場ですが、業務を通じて、広範囲の知識を習得することが出来ますし、専門スキルを磨く機会にも溢れているので、成長意欲が高い人にとっては、極めて恵まれた環境と言えます。
育児支援体制について
虎ノ門病院は、産前産後休暇・育児休暇制度が整備されているうえ、子供の看護休暇もあるなど、子供を持つ女性に、配慮した制度が、充実しています。
さらに、24時間対応の院内保育所があるので、送り迎えの時間を気にせず働けるというのも、大きな魅力です。
ブランク明けの人をサポートする体制も抜群なので、小さな子供を持つ女性にとっては、何かと安心して働ける職場と言えるでしょう。
なお、虎の門病院は、女性でも、本人が希望すれば、上級職に昇進していく機会が開かれているので、キャリアアップを目指すことも可能です。
虎の門病院の転職としての価値
ここまで、虎ノ門病院の就労環境についてお伝えしてきましたが、様々な分野において、最先端の医療を提供している、専門性の高い病院なので、薬剤師として、自分のスキルを高めたいという人には、オススメの職場です。
また、休みが多いのも、この病院の特徴なので、ワークライフバランスを重視する人にも、オススメです。
その一方で、待遇面に関しては、ごく一般的です。元々、病院勤務だと、薬局やドラッグストアと比較しても、待遇が劣るのが実情です。
都内であれば、特に好条件の求人が幾らでも見つかるので、条件面を重視する人だと、より魅力を感じる職場が、ほかにもたくさんあると思います。
そのため、待遇重視という人は、ほかの求人もチェックしたうえで、虎の門病院への転職を目指すのかどうか、判断することをオススメします。
下記に、虎ノ門病院の中途採用求人を扱っている転職会社をリストアップしておきますが、彼らは、ほかにも様々な求人を扱っているので、ぜひ、虎ノ門病院以外の求人のことについても、話を聞いてみてください。
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